慢性腰痛のセルフケア

腹筋運動

あなたはこんな症状で悩んでいませんか?

  • いつも腰が痛い。体勢を変えても楽にならない。
  • ヘルニア、狭窄症、すべり症…etcと診断され、痛みがなくなることはないと思っている。
  • 薬を飲みシップを貼り続けているが、楽になってもすぐまた痛くなる。
  • 痛いところをほぐしたいけれど、どうすればいいのかわからない。
  • 腹筋・背筋を鍛えるように言われたが、筋トレするとよけい痛くなるだけだった。

一つでもチェックがある方はこのブログを読むことによりお悩みを解決できます。

腰痛(特に慢性の腰痛)の原因については、前の記事を参照してください。

こちらの記事では、ご自身でできるセルフケアと逆効果になるNG行為をご紹介していきます。

※ セルフケアはあくまでも、やってみて、「苦もなくできる」「やった結果痛みが軽減する」という場合にのみ続けてみて下さい。

ご自身で判断できない場合は、お近くの病院や接骨院・整体院などにご相談下さい。

慢性腰痛とは?

前の記事で詳しくご説明していますが、ぎっくり腰や転倒したりぶつかったりして急に傷めた急性症状と違って、一定期間持続的に腰の痛みが続いているものを慢性腰痛といいます。

痛みの出始めに関しては、ぎっくり腰のように急に傷めたものがきちんと回復せずに慢性的な痛みとして残っていく場合もあれば、少しずつ痛みが出てきて、徐々に悪化していく場合もあり、いろいろなパターンがあります。

慢性腰痛の時にやってしまいがちなNG行為

まず始めに、腰痛を改善したいと思って、ご自身でやってしまいがちだけれど、本当は逆効果になってしまう行動を知って下さい。

知らずにやっていたことを、やらないようにするだけでも痛みが軽減する場合があります。

腰の施術

痛いところをもみほぐす

痛い箇所やその近くは、往々にして筋肉が固くなっていたりしこりのようになっていたりします。押したり揉んだりすると気持ちが良かったり、一時的に腰痛が軽くなったように感じたりするので、ご自身でもみほぐしをする人は多いのです。

しかし、筋肉(筋繊維)を横に切るような動きでゴリゴリと揉んでしまうと、その場では柔らかくなりますが、筋繊維を傷つけていることになるので、その後で筋繊維が修復される時により固くなってしまいますので、やり過ぎると逆効果になります。

痛いところをストレッチする

これも上記と同じでストレッチすることで痛みの原因となっている筋肉を解きほぐすことができると痛みが軽減するのですが、やり方を間違うと(特に反動をつけてストレッチすると)上記同様筋肉が傷つくので良くありません。

シップ(冷湿布)を貼る

捻挫や打撲、またはぎっくり腰などの時に「シップを貼って改善した」経験から、慢性腰痛に対しても同じようにシップを貼れば効きそうだと思って、あるいは特に深く考えずに何となくシップを貼る人も少なくありません。

ですが、ケガをして炎症が起きている(熱を持っている)時と違い、慢性腰痛は慢性的に固くなった筋肉によって痛みが起きています。

なので、特に冷湿布を貼ると冷えて筋肉が固くなって逆効果ですし、その他のシップ類も、あまり長期的に使い続けると薬剤の副作用で筋肉が固くなってしまうと言われていますので、むやみに貼らない方が良いです。

腹筋運動・背筋運動をする

病院などで「腹筋が弱って腰痛になっているから、腹筋を鍛えなさい」と指導された方も多いかもしれません。

でも、実際には筋肉が「弱いから」ではなく「固いから」痛みが出ています。

特に部分的にアンバランスに固くなってしまった筋肉があることで痛みが出ているので、アンバランスなまま筋トレ等をしても必ずしも良くなりません。

また、鍛え方によっては、固くなった筋肉を無理やり伸び縮みさせることになり、悪化する場合もあります。

まとめ

痛みが強い場合、慢性的に続いている場合は、患部の筋肉をむやみに刺激しない方が良いです。
正しい原因を知って、適切に対処するようにしましょう。

3分以内でできる簡単セルフケア

大腰筋ストレッチ

大腰筋ストレッチ

腰の筋肉を伸ばしたりするのではありません。

大腰筋は腰椎(背骨の腰の部分)の前側から股関節あたりに「ハの字」のついている筋肉で、この筋肉が固くなっていることで、腰周りの筋肉も固くなり痛んでいる場合があります(身体を後ろに反らして痛む場合などがそうです)。

ストレッチの仕方はたくさんありますが、ベッドの端に寝て、端に近い側のお尻の下にクッションやバスタオルを折って丸めたものを敷いて、そちら側の足をベッドからはみ出させて垂らすやり方がわりと簡単で、無理なくできます。

ご自身の足の重みで大腰筋がじわじわ伸びていきます(感覚としては下腹部の奥の方が伸びる感じ)。

ハムストリングのストレッチ

腰痛がなかなか改善しない人の中には、腰周りではなくハムストリング(太ももの裏側の筋肉)が極端に固い場合もあります。

少し屈んだ中腰姿勢から、頭の位置を変えずに(上げずに)、お尻だけを後ろに上げるように膝を伸ばす動きで、太もも裏側のストレッチをして軟らかくすることで良くなります。

クッションを使って骨盤・腰椎の歪みを改善する

素人目に見ても足の長さが違うくらい、骨盤が歪んでしまっているような人は、その歪みを正すことで軽減できる場合もあります。

小さなクッション(柔らかすぎないもの)やバスタオルを丸めたものを使って歪みを解消します。

うつ伏せに寝て、以下の2ヶ所にクッション等をかまします。

  • 足が短い側の鼠蹊部(そけいぶ=ズボンのシワになっているところ)の下あたり
  • 足が長い側の上前腸骨棘(臍から外に手でなぞっていったところの腰骨)のあたり

そして、そのまま数分静かに寝ておきます。
上手くいけばこれだけでも骨盤の歪みは補正できます。

慢性腰痛の予防法

ヨガ

普段から適度な運動を心掛ける

身体を動かさないと、筋肉はやはり固くなりがちです。そうした状態が長く続くと、いつの間にかだんだん腰が痛くなってくることもあります。

そうならないように、普段から少しずつでも運動をしておくことをお勧めします。

ストレッチをする

痛い時にストレッチをするのは良くないですが、普段からしっかりやっておけば、柔軟な筋肉を保つことができます。

筋肉がやわらかければ、痛みが出てくることはありません。

前の項目でも挙げた大腰筋やハムストリング、さらに腰の側面の筋肉を柔軟にしておくと腰痛予防になります。

関節を回す

力を入れずに関節を回す運動をすると、その関節の動きに関わるいろいろな筋肉をバランスよく使うことができ、痛みの原因となる筋肉のアンバランスな緊張を防ぐことができます。

特に腰、股関節、膝、足首をよく回しておくと良いです。

東洋医学的にも、関節を回すことはそこを通る経絡の気の流れを整えることができ、健康な状態を保つのに有効です。

正しい姿勢を心掛ける

デスクワークの人を中心に、現代人は座っている時間が長いです。

座った時に腰を丸めてだらしなく座っている人が多いですが、この姿勢は実は腰にかなりの負担をかけていて、これだけでも腰を傷める要因としては十分です。

人の身体は背骨が横から見てきれいな「S字」になっていることで負担を分散するようにできていますから、座っている時にも、この「S字」カーブが保てるように、適度に背筋を伸ばして座りましょう。

十分な睡眠(休息)をとる

当たり前すぎることですが、人は誰しも自然治癒力が備わっていて、本来は身体に負担がかかって疲労しても、しっかり寝て十分に休ませれば良い状態にもどるはずです。

無理をしすぎるとこの治癒力がきちんと働かないので、だんだん身体の負担を解消できずに痛みが出てきてしまいます。

そうならないためにも、普段から十分な休息をとるようにしましょう。

水分を控える

必要以上に水分を摂り過ぎているような人は、水分を控えることで腰痛が改善することもあります。

水分を摂り過ぎると、体が冷えて筋肉が固くなり、それによって腰が痛くなっていることもあります。

また水分をあまり摂り過ぎると、腹膜や骨盤がゆるんでしまい、内臓が下がってしまうとも言われています。その結果、お腹や腰に外に広がる圧力がかかり、それを食い止める形で腰周りの筋肉が固くなって痛いというパターンもあります。

このような場合、水分を控えることでも腰痛が軽減します。

まとめ

  • 腰痛の直接の原因は固くなった筋肉である。
  • 患部の筋肉をむやみに揉んだり伸ばしたりすることは避けた方が良い。
  • 筋トレやストレッチは予防として有効だが、痛みが強い時は無理にしないこと。
  • ストレッチをするのは、あくまでも筋力バランスを整えるためで、痛い場所の筋肉を伸ばすのではない。

今回ご紹介した内容を読まれると、本当に効果的なセルフケアの方法をお分かりいただけたと思います。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

六甲仲井整体院